MORIKATSU SATO DESIGN OFFICE 佐藤守功デザイン事務所

デザイン制作のこと。

●マーク・ロゴタイプについて

まずはじめに、対象が持つ特性や背景その名称等からヒントとなるカタチをたぐり寄せます。最終的にロゴに内包される、企業あるいは商品などのコンセプトと違和感がないようにそのカタチを整理してゆきます。いくつかの案を平行して制作していると、例えば2つの案を融合した第3案が生まれたりもします。融合前の案と比較・検証する過程で当初イメージしていたものと違った雰囲気になって行くことがあります。細胞が分裂を繰り返し最終的に必然性を得たカタチへと着地するのと似た感じです。重要なのは制作途中で何度か初心に返ることで、そうしないと目的と合致しない妙なカタチが誕生してしまったりします。そのカタチはしばらく寝かせておきます。

●パッケージについて

パッケージの制作に当たっては、それがもし商品であるならば、その商品ロゴの制作から携わりたいと考えています。パッケージデザインの中に適正に内容を伝える魅力的なロゴの存在があれば、それだけで商品全体の印象をよい方向へ導くことができると考えます。ただそのロゴを作るまでが大変です。試行錯誤を繰り返し、できあがったロゴを次にパッケージへ落し込みます。バランスを間違えるとデザイン全体がおかしな表情に見えてしまいます。素材や形状を含め、全てのデザイン要素が連動しているので、最終段階では狂おしい場面が必ずやってきます。

●ブック・エディトリアルデザインについて

大切な要素として読みやすさが挙げられます。文字をビジュアルの一部として扱う場合を除いて、極力読める状態を保ちたいと考えます。例えばビジュアルとテキストどちらも優先したい場面では、伝達の方法として適切と思われる方を優先し、無理のないページの流れを作ることが大切になります。ここは容易に通り過ぎることのできないポイントで、全体的な流れを断つことなく、デザインがメリハリを失った散漫なものにならないよう気を付けなければなりません。カバーデザインはブック内容からのインスピレーションを集約して、自然な顔つきになるよう仕上げることだと思います。しかし内容と顔つきの適度のギャップは強いビジュアルメッセージを生む可能性があり、キーワードを意識の中で熟成させながら進むことが重要だと感じています。

●ポスターについて

一枚の大きな平面。例えばB1サイズです。原寸での調整作業は近くに寄ったり離れて見たりの繰り返しです。距離感によって随分イメージも違って見えます。タイトルや文字情報などの可読性も気になるところで、そのボリューム感や位置関係を視ながらイメージ全体としての調和を得るまで、繰り返しは続きます。ポスターはあまり悩まずドーンとした明快さが必要かもしれません。悩んだ分、萎縮してしまいそうです。ところがそんな明快にはゆかず、修正を繰り返しながら後退せず、よりよい完成型へ向かうにはかなりの根気が必要になります。

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